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来る日も来る日も

好きなことを好きと言ってみたくなった。

11万の瞳を浴びるきみへ

 赤いペンライトの波に囲まれて、スポットライトを全身に受けて、それでもなお、彼らは彼ら自身の光を放っていた。それは、すべての力を使い切る直前の輝きだったのだろう。だからこそ、彼らには「充電」が必要だったのだ。

 

 最初に断っておくが、私は少なくともあの東京ドーム公演が行われた日には、KAT-TUN担ではなかった。だから見に行かなかった。というかファンクラブも抜けて一年ほど経っていたから、行きようがなかった。*1

 だから、今回DVDを買ったのは、セトリを見てものすごく好みだったからというだけだった。3人になったことでの不安は、なかった。そこまで深く考えていなかった。

 

  ところがどっこい、DVDが届いて、最初に感じたのは三人になったことへの不安だった。ちょうど、直前に4人時代のカウコンを見ていて、4人のクオリティーを見せつけられていたから、正直、「3人」というのは少なすぎるのではないかと思った。だって、最初は6人もいたんだよ。それが、ジュニアもつけずにステージ上に三人だけ。派手なのが特徴のKAT-TUNコン。しかも、東京ドーム。人間が3人いるだけで埋め尽くせるステージじゃないんじゃないか。パッケージを開ける、少しの間だけそんなことを考えていた。

 

 ディスクをいれると、All playを選んだ。4人になったときみたいに最初に挨拶が入ったらどうしようかと怯えていたが、そんなことなかった。海賊船をバックにいつか聞いたOVERTUREが流れる。そして、女王魂や惑星魂のときのように、ステージの真ん中には圧倒的オーラを放つ、KAT-TUNがいた。KAT-TUNKAT-TUNだった。事前の不安はこの時点で解消された。少なすぎることなんかない。かっこいいの塊だったKAT-TUNが、私の知るあの日のまま、そこにいた。

 

 細かいことを言うと、今回はフルパワーだったのが大きいと思った。もちろん、今まで手を抜いていたとか言いたいんじゃなくて、今までいれなかったところにも力をいれているように感じた。

 歌割りは単純計算で6人時代の倍だから、一人ひとりの努力しなければならない量が大きい。何よりお遊びが少なかった。

 亀梨くんといえば、よくわからないところで「Say!」と叫んで歌うのをやめてしまったり、ネバアゲで「彷徨うみんな~」という不思議な替え歌したりするのが恒例で、参加していれば楽しいんだけど、なんとなくもったいないと感じていた。歌えばいいのに、と。それも仕方がないんだろうなと思ってた。例えば赤西くんはよくフェイクをアレンジすることでライブ感をだしていたけれど、亀梨くんはそれほど歌が得意ってわけじゃないからしないだろうし、聖のようにラップをいじったりすることもできない。亀梨くんがライブ感を出すのに一番わかりやすくて手っ取り早い方法なんだと思ってた。でも、今回の10ksでは、歌の端々をアレンジすることでライブ感を出したり、ダンスをアレンジすることや小物の使い方で客席を盛り上げてた。すごいと思った。私の見ていない間にこの人に何が起きたんだろうと思った。*2

 上田くんは客席を積極的に盛り上げるイメージがなくて(特に不思議ちゃん時代)、今回かなり煽りをしていたことに驚いた。男らしくなった上田くんの叫びは、力強かった。かっこよかった。

 中丸くんは55万人愛のリクエスト~の時にはあんなにたどたどしいラップだったのに、どの曲だったかは忘れたが、聖のパートを引き継いでやっていたのにびっくりした。なんの違和感もなかった。ただただかっこいいKAT-TUNをここでも支えていた。

 三人とも変わっていた。成長していた。充電なんか、必要ないんじゃないかと思ってしまうほどに。

 

 かっこいいが続いた。MCまでノンストップかっこいい。かっこいいの過剰摂取で倒れそう。でも、MCまで一度も「欠けてる」ことを感じなかったのに、KAT-TUN自身の口から「四人から三人になって立ち位置が~」なんて話が聞けて、ちょっと納得した。私たちに違和感を感じさせないために、三人はきっと大きな違和感と戦っているんだと思った。あと、上田くんが田口(影)と肩を組んで、亀梨くんが赤西(影)と田中(影)と肩を組んだシーンで、「お前赤西くんがいたときも滅多に肩組んだりしてくれなかったじゃねえかよ」と思いっきりツッコミをいれた。でも萌えた。

 

 それから、田口くんの話を名前は出さずとも躊躇なくしていることに驚いた。聖と赤西くんの「不祥事」を前面に出した脱退に対し、円満退社だったからかもしれないけれど、三人がいくつもの谷を乗り越えたから、こんな風に明るく話せるのだと思った。

 

 そしてセトリが神だった。神だった。知ってた。最初のただひたすらかっこいい部分から過去に戻り、そしておふざけコーナーという流れは、どこにも堰きとめる部分がなくて、お手本のようなコンサートだと思った。つなぎのVTRも決して流れを邪魔するものじゃなかった。

 

 それから、がっつりのソロコーナーがなかったことや、ジュニアを入れなかったことも相まって、KAT-TUNを堪能できたという印象。これが今のKAT-TUNなのだと、そう強く思った。リアフェの「思い切りぶち破ろう」の始めの部分の亀梨くんに被せるフェイクは今まで通りなかったし、ドンチューのラップ部分はインストのみになっていた。TEN-Gは紫赤黄の三色だったし、最後に帰っていく扉は青紫ピンクにそれぞれ輝いていた。なかったことにしない。けれど、いまのKAT-TUNはこれなのだと、メッセージを感じた。

 

 そして、最後に、メンバー一人ひとりから感じたこと。

 まず、亀梨くんはKAT-TUNというグループが当初は6人組だったことに言及した。そして逡巡しながらも、感謝していると、言った。そう言えるようになるまで、どれだけの葛藤があっただろう。「KAT-TUNを好きな自分でいなければならない」「そう思わせてくれたのは」「一緒に仕事をしてくださった人たちと」「皆さんでした」と口にしたこの人がKAT-TUNを好きでい続けることがどれほど苦しいものだったことか。結成以来一度もファンの前で涙を流したことのない亀梨和也の強さを感じた。亀梨和也であることの辛さを感じた。KAT-TUNのエースとしてセンターとして亀梨和也として、「すべて背負う」という生き方は、どれだけしんどかっただろう。

 

 中丸くんは涙を流しながらも、2人にハグを求めた。それは、今のKAT-TUNの形を確認するようでもあった。中丸くん自身が、足りない田口くんの影を口にしながらも、今のKAT-TUNの形を噛み締めていた。充電という結果に不満を表しつつも、それをネタにしてしまう強さを持っていた。赤西くんとも聖とも田口くんとも良好な関係を築いていた彼が、最年長である彼が、メンバーの潤滑油だった彼が、3人という数字を噛み締めて、そして前を向く瞬間。東京ドーム。現在日本で最大で、そして最高のステージ。今のKAT-TUNを噛み締めて、そして一度それに終わりを告げた。最後にステージから消えたのは中丸くんだった。

 

 上田くんは腕に✖︎を刻んでいた。

 

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 「いつかまた会えたら もう一度仲間と呼んでくれますか‼︎!?」と言うビビの言葉に応えるルフィたちの✖︎よりはずいぶん大きかった。それでも、登場時からはっきり見えるあの印は、再会の約束としか思えなかった。このことについては後日詳しく書きたいと思うので、とりあえず置いておくにしても、3人の再会を力強く刻んだ印だった。KAT-TUNという船から一度、3人が離れるにしても、再び会えるのだと、それは強くなったときなのだと、そう刻まれているように感じた。KAT-TUNという船からメンバーだけでなくファンも降りてしまったことを、上田くんは知っていた。それでも、成長を誓い、そしてファンにも、共闘を求めた。

 

 KAT-TUNは力強く、三人のKAT-TUNだけで、最後まで東京ドーム全体を魅了した。あまりにその光が力強いから、なぜ、充電期間なんて必要なんだろう、と思ってしまう。けれど、きっとそれは必要な期間なのだろう、と1mmも欠けたところのないこのDVDを見て思った。彼らの光は力強いものではあったけれど、今まで傷つけ傷つけられた痛みを光に変えたものだった。でもそれは長く続くものではない。それは刹那の輝きで、とても美しいものだけれど、決してこれからのKAT-TUNの永続的な成長と存続を約束してくれない。だから、個人がもっと今まで以上に力をつけなければならない。そのようなKAT-TUNのこれからを見据え、充電期間が設定されたんだと思った。だから、きっと、いえ、絶対、KAT-TUNは帰ってくる。それも、これからの、半永久的な輝きと共に。三人ともが力をつけて。

 

 以上がKAT-TUN 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR “10Ks”を見た私の取り急ぎの感想です。随分ポエマーですね。勢いでしかないんで誤字脱字許してください。もう自担ではなくなってしまっていて、最近のKAT-TUN事情には詳しくなかったんで、いろいろ情報が間違っていたら教えてください……。また担当戻りたいとか思っちゃうほど素敵なDVDだったんで、みなさん買いましょう……。

 

 

 

 

 

 

スズキアイコ/2016.8.19

*1:私がKAT-TUNをおっかけてたのは大体2011~2014あたり。ちなみに好きなコンサートは惑星魂と海賊帆

*2:私は亀梨担だったので、亀梨くんの話が多くなってしまうことを許してほしい。